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院長’S コラム Vol.11 「 大腸がんと大腸カメラ  ~急増する大腸がんから身を守るには~」

コラム
大腸がんと大腸カメラ  ~急増する大腸がんから身を守るには~

みなさんこんにちは。院長の熊野です。
今回は大腸がんについて書いてみたいと思います。

大腸がんは現在、全がん死亡者数の中では男性で3位、女性では1位です。
これは胃がんや肺がんのように減少傾向があるがんとくらべて増加している
状況にあります。

大腸がんは、排便時の出血や便秘・下痢などの排便障害、腹部のはり感など
が症状として表れることがありますが、診断をされるほとんどの例では自覚
症状がありません。

現在、日本において大腸がんが見つかるきっかけは、便潜血検査で陽性となった方が精密検査である大腸内視鏡検査で診断されることが最も多くなっています。

便潜血検査は便の中に含まれる微量の血液(ヘモグロビン)を検出するもので、食事に含まれる動物の血液には反応しません。大腸がんの患者さんの84%で便潜血検査が陽性になります。
便潜血検査を受けたグループでは、受けていないグループに比べて大腸がんで亡くなる確率が10-30%低下することも報告されています。

便潜血検査は、健診で検査を行った人のうちで約7%で陽性になると言われています。
その便潜血検査陽性の方で精密検査(大腸内視鏡)を行って、実際に大腸がんと診断される確率は約3%と言われています。さらに便潜血検査陽性がきっかけで診断された大腸がんは約65%は早期がんであり、早期大腸がんの90-95%はがんが根治します。

このように自宅で採取できる便潜血検査は、簡便である上に信頼度の高い検査です。しかし実際に便潜血検査を受けられているのは対象となる40歳から75歳のうち日本では50%に満たないと言われており、また便潜血検査で陽性になっても半数以上の方が精密検査である大腸内視鏡検査を受けていないとされています。
日本では先進国の中でも大腸がんの死亡者数が減少しない国の一つと言われており、これらの検診受診率と内視鏡検査率向上が必要であると学会などでは報告されています。

親族に大腸がんの治療歴がある方、喫煙者、肥満者、糖尿病の治療歴がある方は一般の方より大腸がんのリスクが高くなっています。
それらに当てはまらない、または腹部症状がない方でも、40歳を過ぎたら健診での便潜血検査をぜひお勧めします。健診以外でも、通常外来で検査を行うことも可能です。

大腸がんのリスクをきちんと理解し、検査の重要性を知った上で、増え続ける大腸がんから身を守ることを考えていきましょう。

ちなみに私は2年前までは大腸がん治療の専門家として手術・内視鏡・化学療法を行っていました。現在は当院にて大腸内視鏡を患者さんのご負担がなるべく少なくなるように行っています。

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