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正田病院からのお知らせ

院長’S コラム Vol.14 傷の正しい治し方 ~ 傷に消毒するのは時代後れ? ~

コラム
傷の正しい治し方 ~ 傷に消毒するのは時代後れ? ~

みなさんこんにちは。院長の熊野です。
今回はだれでもなり得るカラダの傷について、最近の治療方法や初期対応法などについて書いてみたいと思います。

私が子供の頃にはまだ「ヨードチンキ(ヨーチン)」なるものが世の中にありました。その後もイソジンやマキロンと言った消毒液は各ご家庭に必ずあったと思います。

しかし現在ではこれらの消毒液は医療機関で傷の治療に用いられることはほとんどありません。消毒液は皮膚の常在菌を殺菌してしまうことにより、一般に出来る擦り傷や切り傷に使用するとかえって治りが悪くなることが知られています。

傷には深さや出来かたによって以下のように対応法が変わってきます。

すり傷 ( 擦過傷 )
浅くすりむいた傷は、まずは痛くても水道水で十分洗浄し、砂や土、異物などを取り除きましょう。消毒液は使用しません。十分に洗ったら、傷に張り付きにくい大きめの絆創膏か、創保護材(ハイドロコロイド製剤:キズパワーパッド・クイックパッドなど)を貼ってみてください。
但し、出血が続いていたり、黄色やオレンジ色の液体(滲出液)が多く出てくる場合には、ハイドロコロイド製剤は貼らない方がいいです。

切り傷 ( 切創 )
多くは刃物や突起物で切れた傷です。出血を伴う場合にはガーゼなどで覆い、しっかり圧迫して医療機関を受診してください。もし傷口が汚れている場合には、出血していても十分に水道水で洗浄してください。この場合にも消毒液の使用はお勧めしません。

深い傷( 挫創 )
黄色い皮下脂肪や筋肉、白い筋膜(時には腱)が傷口から見える場合には、濡らしたガーゼ(なるべくきれいな手ぬぐいやハンカチでもOK)で傷を保護し医療機関へ受診してください。
出血を伴う場合には傷口を圧迫すれば多くの場合には自然に止血できます(止血できない場合にはなるべく早く医療機関へ)。

犬や猫にかまれた傷( 犬・猫咬傷 )
見た目より傷が深くまで到達していることがあり、時間が経ってから創部の感染を来す可能性があります。十分な洗浄をして、痛みや出血がない場合でも24時間以内に医療機関への受診をお勧めします。
上記のハイドロコロイド製剤は咬傷の際の使用は推奨されません。

傷が出来てしまった場合には、十分に洗浄をし、傷を保護した上で医療機関への受診をしてください。
夜間休日の場合、出血が続いていなければ、翌日の受診で構いません。
当院では外科医師・皮膚科医師が創部の処置を丁寧に行っています。

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