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院長’S コラム Vol.18 2025年を医療問題から振り返る

コラム
2025年を医療問題から振り返る

みなさんこんにちは。院長の熊野です。

残り1週間あまりとなった2025年は日本の医療を取り巻く社会は大きな節目を迎えました。団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となり、医療・介護の需要がピークに達する「2025年問題」が本格化した年です。

この一年、私たち市民の生活に直結する医療現場では、3つの大きな波が押し寄せました。2025年を振り返り、今後私たちに何ができるのかを一緒に考えていただければと思います。

1. 病院経営危機の深刻化
以前のコラムでも書いたように、日本の多くの病院、特に地域
の中核病院は、水面下で深刻な経営危機に直面しています。

原因は、物価高騰による医療材料(薬剤を含む)や医療機器・光熱費の高騰、そして医療スタッフの人件費です。国から支払われる診療報酬は厳しく抑えられており、多くの病院が医業収支で赤字に転落しています。人手不足で病棟を閉鎖したり、赤字部門を縮小したりせざるを得ない病院も出始めています。

2. 例年より早い時期のインフルエンザ大流行
当地区のみならず、全国で11月から12月にかけて例年より早い異例のインフルエンザ大流行に見舞われました。医療機関においてインフルエンザを含む発熱患者が急増すると、一時的にでも診療業務が逼迫し、時に持病を持つ方や重症の救急患者を受け入れられない事態が発生します。
今後もインフルエンザ以外の感染性疾患の流行も危惧される中で、「ワクチンの接種を早期に積極的に受けること」と「基本的な感染対策の継続」は、自分と家族を守るだけでなく、学校や職場、さらには医療現場を含む社会全体にとって望まれることだと思います。

3. 「紙の保険証」の原則利用不可:デジタルへの移行
12月2日以降、段階的に旧来の健康保険証は利用ができなっています。代わりに、マイナンバーカードを用いた「マイナ保険証」、または各保険者より交付される「資格確認書」での受診が原則となります。
これは、政府が進める医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環で、正確な医療情報の共有や業務効率化を目指すものです。
従来の健康保険証の有効期限が切れた後もマイナ保険証を使わず、「資格確認書」の手続きを怠っていると、病院で一時的に全額自己負担を求められる可能性があります。まだマイナ保険証を作られていない方は早めの対応をお勧めいたします。
 
病院は「困ったら行く場所」から「地域全体で守り育てる公共財」へと認識を変える時が来ています。私たち一人ひとりの行動が、地域の医療を守る力になります。

私たち正田病院は地域の方々の医療のインフラの一つとして、これからも地域のニーズに応えられる医療を提供して参ります。2026年もよろしくお願いいたします。

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